樹海
忘れられない思い出のひとつが、中学の時に行った林間学校だ。
富士山の麓、樹海ハイキング。
真っ直ぐに上に生える、木々。覆う新緑の合間から射す光。木漏れ日。
とてつもない幸せな感覚になったこと。
今草木や花が好きであることのカケラになった思い出。
この記憶を久々に思い出した。
忘れないようにしよう、アメリカの文学者エマソン、ジョナサン・エドワーズ、ヘンリーデイヴィッドソローが記した感覚と私が感じたものが、似たものであることはなんだか誇り。
話はズレるけど、子どもの頃に感じたこと思ったこと、体験って、今になって重要であることに気づく。
子どもの頃の思いって、純粋で本能的に思えるから、それが自分の本当の気持ちなんだ!潜在的意識なんだ!って思えるのよね、多分。
子ども時代は感情(パトス)で行動し考えるから、自分を見失った時は、子ども時代に戻れば答えがあるような気がするのよ。
だから私の樹海体験も、自分のアイデンティティを考える上で、重要なわけ。
小説ライフオブパイ、自由
『ライフオブパイ』の中の、自由についての考えが面白い。
自由とは、放たれることではない。
例えば、動物には自分のテリトリーがあってそこでは安心して生きることができる。敵もいない、家族がいる、自分が最も楽でいれる場所。
だから、動物園の動物は檻をテリトリーとする。彼らを檻から放つことは、一見彼らを自由にするように見えるけどそうではない。むしろ慣れない場に自由どころか緊張する。実際に、動物園の放たれた鹿が檻に帰って来てしまうという話もある。
ライフオブパイより。
自由と解放は密接に関連すると思っていたけれど、そうでもないのかもしれない。
家を突然追い出されても、自由だ!とはならないなあ確かに。
自由とは。
存分に
日常に起こることを存分に楽しみたい。
たんぽぽが咲く、花びらのつむじ風が吹く、赤ちゃんが微笑む、小さいことに充実感を得る日々を送りたい。
新鮮じゃなくって、いい!
©︎[2017] [Fujime] All rights reserved
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"COBALT HOUR"
ユーミンの"COBALT HOUR"は、旅と失恋がテーマの、短編集みたいなアルバム。
はじめてアルバムを聴いたときは、映画のようにアルバム全体がストーリーになってるのかしら、と思った。
けれどよく聴いてみると違う。
それぞれの曲に別の主人公がいる、短編集。
"ルージュの伝言"や"少しだけ片想い"、"CHINESE SOUP"のように明るく失恋を歌ったと思えば、"花紀行"や"雨のステイション"のように悲しみをどっぷり悲しく歌ってみたり。
最近はこのアルバムをヘビーローテションしている。
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やっぱり花が好き!
初めての夢はお花屋さんだった。
おばあちゃんの庭の花を黙って摘んで、怒られるくらいお花が好きだった。
入園の時に、副園長さんに
「これはなんですか?」
と聞かれ
お花と答えず
「コスモス!」
と答えたのは私だけだったらしい。
でも成長するにつれて、どこにでもある花たちよりも、もっと面白いものに惹かれてく。
おにごっこ、ブランコ、テレビ、ゲーム…花なんて見向きもしなくなった。
すごく悲しいわ。
でも今、草花のステキを再確認。
季節移りを教える花、どこにでもあるということの素晴らしさ。
やっぱり花が好き!
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古仁屋という街
奄美大島は南、古仁屋という街に3泊した。
奄美空港からバスを乗り換え2時間ほどのところに古仁屋がある。
奄美の夜は何もない、ただひたすら黒が続く。
海は真っ黒な石油のようで、ぜんぶ消してしまう黒さ。
山が連なる奄美にはトンネルが多い。
長い長いトンネルを抜けると、ぽつぽつと灯りがみえる。
そう、そこが古仁屋。
川端康成の『雪国』、
「トンネルを抜けるとそこは雪国であった。」の感覚がぴったりくる。
「トンネルを抜けるとそこは古仁屋であった。」
灯りがみえたときの安心感といったらもう。
『雪国』ならぬ、『南国』。
この街の人は本当に温かい。
歩いていれば子供は挨拶をし、
カラオケ店経営のハイカラおばさんは郷土餅をくれ、
回送バスのおじさんは見知らぬ私たちを乗せてくれた。
「海と山が全部、忘れさせてくれるんだね。」と友人は言ったけど、
本当にそう。
深い深い底が見える透明な海で、釣れない釣りをしてればどうでもよくなる。
ありがとう、古仁屋。
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